written & illustration by 咲蘭さま



炎が揺らめく中に歩いていく母の後ろ姿。
その姿が永遠に記憶の中から消えてしまうわけはなく、時折、ふと脳裏を掠めどうしようもなく
胸が切なく痛むことがある。生きてきた環境が人間を作るのな らば、自分はどこかが歪んで
何かが足りない人間なのだろう。
それならそれでいい。
この世界で生きていくためには、あの男に復讐するためには、欠落した部分など必要のないことだ。

そう信じてきた。
だから酷く混乱した。

突然、目の前に現れた彼女の放つ光、オーラ。
彼女と関わっていけばいくほど、有り得ないほどに混乱していく。
自分の中の変化を把握できなかった。いったい何が起きているのかと。

今なら分かる。
初めて会ったその時から、愛し始めていたことを。

彼女と出会って今日まで過ごしてきた時間が、自分の欠け落ちていた部分を感情を、
丁寧に呼び覚ましてくれた。彼女を愛することで、次第にあの男を許すこ とも覚えていった。

今もって不完全な自分だが、あの頃の自分とは何かが確実に違う。

彼女の存在そのものが、自分に芽生えた愛情の記録。


「おいで…」

おれの声に、少し顔を赤くしながら、引き寄せられるように歩いてくる。一緒に暮らし始めて随分経つのに、
それでも、恥じらいを隠せずにいる彼女が愛おし い。

小さな彼女を抱き上げる。宝物のように。

「ひゃっ…、速水さん…!?」

抱き上げて顔を黙って見つめてると、彼女が困ったように呟く。

「あ…あの…、重いでしょ…?」

わざとにやりと笑う。

「ああ、重いな」

「もーーーーっっ!降ろしてくださいよっ!」

おれの腕の中で両腕を振り回して暴れる彼女を、笑いながらぎゅっと抱きしめる。


「…マヤ…ずっと、こうして一緒にいような…」

「……うん…」

「君は、おれのlove chronicleだから」

「え?え?…らぶくろに?…って、言えてないんですけど…あたし。…なんですか?ソレ」

「くっくっく…いいんだ。おれだけ分かっていれば」

「…もう〜、バカにしてぇ…」


怒りを含まない柔らかな恨み言を呟きながら、彼女がおれを上から抱きしめる。


ーーーおれも君のlove chronicleなんだよーーー


fin





<咲蘭さんのコメント>
  
おけいちゃんに、どんなシチュがいい?と恐る恐る聞いてみると
「マヤちゃんを自分の腕に座らせるように抱き上げて、彼女を見上げるマス図」。
おお、なんとかわいらしい乙女なシチュっ♪
せっかくサイト開設祝いで贈るなら、サイト名絡みにしたいと思い、
無理矢理っぽいがこんな文章までつけてしまいました。
冬に開設したのにお祝いが夏。ああ、どうもすいません…。
でも、でも、アナタ様への愛をたっぷりこってり練り込んでみました。
これからも、一緒に楽しんで行けたら嬉しいぞぅ。


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あぁぁぁぁぁああぁぁぁ〜〜〜“骨抜き”おけいでゴザイマス。
自分の思い描いてた構図がここまで忠実に再現されると、感動を通り越して
寒気すらしてくるね(笑)
で、で、どうなの?マヤちゃんを見上げる底なしに優しいシャチョーの眼差し。
抱き上げられるマヤちゃんの小ささに若干の“背徳”のニオイを感じましたが(笑)
なんてカワイイのぉぉぉ???シャチョーの次にマヤちゃん好きを自負してる
アタシはメロメロです♪
さらに!サイト名絡みのSSまで付けて頂いて、ホント恐縮です。“Love Chronicie”の
意味を知った時は恥かしくてどうしようかと思いましたが(笑)改名しなくてヨカッタよ♪
咲蘭さん、ステキな作品をありがとうございました!!!“双子の姉さん”として
これからもヨロシクお願いします♪♪♪